安国駅で伝統工芸にふれる一日|印章・組紐・お寺体験とカフェ休憩
2026-10-17・韓国がじゃ 編集部
景福宮と昌徳宮のあいだにある安国駅は、北村の韓屋の路地と仁寺洞の工芸通りの両方へ歩いて行ける、ソウルでも珍しい立地の駅です。見て回るだけの観光から一歩進んで、自分の名前のはんこを作ったり、伝統の結び目を習ったり、お坊さんとお茶を囲んだりと、手を動かす体験がしやすいエリアでもあります。この記事では、駅から徒歩10分圏内にある工芸・文化体験のスポットと、途中で休めるカフェを組み合わせて、一日の過ごし方を提案します。
安国駅の基本:3号線一本でも動きやすい
安国駅に乗り入れているのは地下鉄3号線だけです。南へひと駅進むと鍾路3街駅、北へひと駅進むと景福宮駅で、どちらも観光の起点になる駅なので、乗り換えが少なくても困ることはあまりありません。鍾路3街駅は1号線・5号線との乗り換え駅なので、ソウル駅方面や東大門方面から来る場合はここで3号線に乗り継ぐと便利です。景福宮駅とは隣同士なので、王宮の見学と組み合わせる日程も組みやすいでしょう。
始発は、鍾路3街方面が5時34分、景福宮方面が5時38分です。終電は平日なら鍾路3街方面が0時52分、景福宮方面が0時56分と遅めですが、土日・祝日は鍾路3街方面が23時52分、景福宮方面が23時59分と、1時間ほど早くなります。週末に仁寺洞で夕食をとってから戻る予定なら、23時半ごろには駅に向かうつもりでいると安心です。運行本数は平日で1方向192本と多く、日中は待ち時間をそれほど気にせず乗れます。
仁寺洞キルで「自分だけの記念品」を作る
駅から徒歩約5分で着く仁寺洞は、朝鮮時代から続く書画や工芸の店が集まる通りです。螺旋状の通路に小さな雑貨店が並ぶサムジギル、伝統茶を飲める韓屋の中庭がある耕仁美術館など、歩いているだけでも見どころが続きます。週末は通りが歩行者天国になるので、車を気にせずのんびり歩けます。
体験として特におすすめなのが、仁寺洞キル34にある明新堂(ミョンシンダン)筆房です。駅からは徒歩約6分。筆や墨、印章(はんこ)などの書道用品を扱う店で、自分の名前の印章を作ってもらうことができます。旅行の記念品としても、家族や友人へのおみやげとしても形に残るのがうれしいところです。仕上がりまでの時間は店頭で確認する必要があるので、通りを歩き始める前に先に注文しておき、散策の帰りに受け取る流れにすると時間をむだにしません。
同じ通りの仁寺洞キル48には、工芸工房のタルバンもあります(徒歩約6分)。手仕事の雑貨や作品を見ることができ、印章の仕上がりを待つあいだに立ち寄るのにちょうどよい距離です。営業時間や体験内容は変わることがあるので、訪問前に確認しておきましょう。
北村側で職人の技を見る・習う
駅の北側、北村路沿いには、伝統工芸を伝える施設や工房が点在しています。まず立ち寄りたいのが、駅から徒歩約4分のソウル無形文化財教育展示場です。ソウル市が指定した無形文化財の伝統工芸を伝承するための施設で、常設展示室や試演室、韓屋の多用途室などがあります。技能保有者が後進を教える場としても使われていて、国内外の観光客が伝統工芸を体験できる機会もあります。開館は10時から17時までなので、午前中か昼過ぎの早めの時間帯に組み込むのが無難です。
もう少し坂を上った北村路12ギルには、東琳(トンリム)メドゥプ工房があります。駅からは徒歩約10分。メドゥプとは韓国の伝統的な組紐・飾り結びのことで、この工房では4代にわたって受け継がれてきた技を、韓屋の展示室で見ることができます。昔ながらの装飾用の結び目から、現代的な感覚で作られた創作品まで並んでいて、結び目ひとつでここまで表情が変わるのかと驚かされます。ブレスレットやネックレス、キーホルダーを作る日帰り体験も行われているので、手を動かしてみたい人には特に向いています。営業は10時から18時です。
このほか、北村路6ギルの清円(チョンウォン)山房、北村路5ガギルの阿園(アウォン)工房など、韓屋の路地に溶け込むように工房が点在しています。展示や販売の内容は時期によって変わるので、通りがかりに覗いてみる感覚で楽しむのがよいでしょう。
テンプルステイ統合情報センターで気軽にお寺文化を体験
駅から南東へ徒歩約7分、郵政局路56にあるテンプルステイ統合情報センターは、韓国各地のお寺で行われているテンプルステイ(お寺体験)の情報を集めた施設です。韓国のテンプルステイは2002年のワールドカップをきっかけに外国人向けに始まり、現在は100か所近いお寺で体験できます。英語に対応したプログラムもあります。
泊まりがけで地方のお寺へ行くのは難しくても、このセンターでは街なかで短時間の仏教文化体験に参加できます。曜日ごとに内容が分かれていて、お坊さんとのお茶会は月・火・金・土・日曜、蓮の灯籠作りは月・木・金・日曜、数珠作りは火・水・土曜、写経はいつでも行われています。ただしスケジュールは内部の事情で変わることがあるので、参加したい体験が決まっているなら事前に確認しておきましょう。開館時間は平日が9時から19時、土日が9時から18時です。
仁寺洞の工芸店めぐりが「ものを作る・選ぶ」体験だとすれば、こちらは静かに心を落ち着ける時間を持てる場所です。にぎやかな通りを歩いたあとに組み込むと、一日の中にちょうどよい緩急がつきます。
体験の合間に寄りたいカフェ
工房めぐりは意外と歩くので、休憩場所を決めておくと楽です。駅から徒歩約2分のカフェレイヤード・アングク店は、スコーンで知られるカフェレイヤードの本店です。クリームチーズがたっぷり入ったクランベリークリームチーズスコーンや、黒ごまとあんバターを合わせたスコーンなど種類が多く、照明や小物を使った陳列も見ていて楽しくなります。営業は毎日8時から22時までなので、朝いちばんに軽く腹ごしらえをしてから歩き始める使い方もできます。
昌徳宮側へ足をのばすなら、徒歩約7分のカフェサングクがおすすめです。昔の住宅を改装したヴィンテージな雰囲気のロースタリーカフェで、自家焙煎のドリップコーヒーが楽しめます。ルーフトップからは昌徳宮を眺めることができ、王宮の緑を見下ろしながら一息つけます。1階はペット同伴も可能です。営業時間は曜日で異なり、月曜は19時まで、火〜土曜は21時30分まで、日曜は10時から21時までなので、月曜の夕方に訪れる場合は早めに向かいましょう。
半日モデルコース:手作りと寄り道を組み合わせて
ここまでのスポットをつなげた、昼前から夕方までのコース例です。
- 10時:安国駅に到着。徒歩約2分のカフェレイヤードでスコーンとコーヒーの朝ごはん
- 10時40分:徒歩数分のソウル無形文化財教育展示場で伝統工芸の展示を見学
- 11時30分:北村路を上って東琳メドゥプ工房へ。展示を見て、時間が合えば組紐の体験に参加
- 13時:坂を下りて仁寺洞方面へ移動し、昼食
- 14時:明新堂筆房で印章を注文。仕上がりを待つあいだにタルバンやサムジギルなど仁寺洞キルを散策
- 15時30分:印章を受け取り、テンプルステイ統合情報センターへ。その日の体験プログラムに参加
- 17時:カフェサングクのルーフトップで昌徳宮を眺めながら休憩
体験の空き状況や所要時間は日によって変わるので、すべてを詰め込むより、二つか三つに絞って残りは様子を見て決めるくらいがちょうどよい配分です。夕方以降も仁寺洞で食事をして過ごすなら、前述のとおり週末は終電が早まる点だけ覚えておきましょう。
旅のヒント
- 北村側は坂と石段が多いので、歩きやすい靴で出かけましょう。
- 印章作りのように仕上がりを待つ体験は、先に注文してから散策すると時間を有効に使えます。
- 北村の韓屋の路地は住民が暮らす住宅街です。大きな声での会話や、早朝・夜遅くの訪問は控えましょう。
- 土日・祝日の終電は23時52分(鍾路3街方面)と平日より約1時間早いので注意してください。